ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

瀬名さん……嶺くんは、ご満悦な様子。

嬉しそうに口元を緩めている姿が、可愛かった。


「俺も、2人のときは日奈子って呼ぶ」


さらりと告げられたそのセリフに、ひどく驚いた。

……え?

どうして、私の名前……。

私、名前言ったっけ……?

さっきまでの会話を思い出しても、そんな記憶はなくて、ますます疑問が深まる。

そんな私を見て、嶺くんが誤解したのか、不機嫌そうに眉間にしわを寄せた。


「……ダメなのか?」


慌てて、首を左右に振る。


「ダ、ダメじゃないですっ……!」


すると、さっきよりも嬉しそうに笑う嶺くん。

すっと手が伸びてきて、私の頭を優しく撫でた。

――ドキッ。

今の、何……?

感じたことのない、胸の高鳴り。

それは嫌だとか、怖いとかそういったものじゃなくて

 ……むしろ、心地よいものだった。