ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

ずっと気を張っていたからか、この高校に来て初めて、安心を感じた。


「瀬名さん……」


ほんとに、同室の人が瀬名さんでよかったなっ……。

なんだか1週間、無事に乗り切れる気がしてきた……!

嬉しくて、だらしなく緩む顔。

瀬名さんは少し照れくさそうにしながらも、何か言いたげな顔で口を開く。


「それ、さんってやめろ。同い年だろ。呼び捨てでいい」


え?

よ、呼び捨て……?


「えっと……瀬名……くん」


いきなり呼び捨ては違和感があって、あと付けする。

すると、瀬名さんはまだ不満そうで、私はその表情に首を傾げるしかなかった。

く、くんづけがダメだった……?

そう思ったけど、どうやら違ったらしい。


「……嶺」

「え?」

「俺の名前」


呼び捨てって、名前でってこと……?


「嶺……くん」


なんだか、ちょっと恥ずかしい……。


「ん」