ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

「あの……怒ってないん、ですか?」


自然と、そう口にしていた。


「何を?」


瀬名さんは、「は?」とでも言いたげな表情で、私のほうを見る。

改めて見ると、やっぱりとてつもなく整った顔をしているなと思った。

すごく綺麗で、灰色の目が狼みたい……って、みっ、見惚れてる場合じゃないっ……。


「朝……勝手に出ていったこと……です」


私の言葉に、瀬名さんは思い出したようにピクッと反応した。


「……別に。んなことで怒ってねーよ」


その声からは本当に怒りは見えなくて、ほっとすると同時に、勝手に殴られるとさえ覚悟していたことを申し訳なく思った。


「つーか、怒ってると思うなら、ちゃんと説明しろ」


びくりと、今度は私が肩を震わせる。


「お前……あいつの双子の妹だろ?」


私が言い訳を口にするより先に、瀬名さんがそう言った。