物心ついたときには男の子が苦手になっていて、今も極力、男の人には関わらずに生きていきたいと思っている。

それなのに、男の子しかいない高校に通うなんて……無理だよっ……。


「……そう、だよな……」

「……」

「ごめん……変なこと頼んで……。お前にそんな顔させるなんて、お兄ちゃん失格だな……」


悲しそうに、申し訳なさそうに微笑むお兄ちゃん。

その姿に、罪悪感がこみ上げた。

留年……なんて、絶対嫌だよね……。

お母さんたちに迷惑がかかるって言ってたし、お兄ちゃんだって絶対に避けたいはずだ……。

勉強したって言ってたのに、こんなことになって……お兄ちゃんが一番悔しいはずなのに……。


「……わ、わかった……」


……このまま、放っておくなんてできない……。

お兄ちゃんのお願いだもん……1週間くらい、頑張れるっ……!


「いい、のか……?」

「うんっ……!」

「……さんきゅ……ありがとな」


安心したように、微笑んだお兄ちゃん。

私はその姿に、改めて決意を固めた。

怖くて、不安しかないけど……追試を受けて、無事に2人で3年生になるんだっ……。