ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

「あ、ありがとうございます……」


……き、気まずい……。

シーン……と静まり返った空気の中、じっとしていられなくて、少しだけグラスの中の水を飲む。

自分が思っていた以上に喉が渇いていたのか、普通の水のはずなのに、とても美味しく感じられた。

ちらりと、横目で瀬名さんのほうを見る。

瀬名さんは、ついていないテレビの方向をぼうっと見ながら、500mlのペットボトルごと飲料水を飲んでいる。

……あれ?

そういえば私、男の人なのに、どうしてなんとも思わないんだろう……。

今は、結構な至近距離。

もう少し近づいたら、肩が触れてしまいそうなほど。

それなのに……怖いとか離れたいとか、そういった類の感情はなかった。

最初からそうだったけど、この人は不思議だ。

男の人なのに、怖くない。

クラスメイトたちからは、なんだか怖がられていたみたいだけど……。