ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

ただ……お兄ちゃんは相当勉強ができないと思われているみたいだから、合格のボーダーラインより少し上くらいを狙ったほうがいいかもしれない……。

そんなことを考えていると、部屋に着いてしまって、ドアノブに手をかける。

そのとき、朝のことを思い出した。


『……ちょっと出てくる。お前、ここで待ってろよ』


……せ、瀬名さん、もう帰ってきてるかなっ……。

今日を乗り切れたことに安心して、すっかり忘れてしまっていた……!

きっと、怒ってるに違いないけど……。

……助けて、くれたのも事実で……。

ぎゅっと、ドアノブを握る手に力を込めた。

よし……ちゃ、ちゃんと話そう……。

ゆっくりと扉を押すと、鍵は開いていた。

部屋にカバンを置いて、リビングへと向かう。


「……」


そっとリビングに入って室内を見渡しても、瀬名さんの姿は見えなかった。

はぁ……ま、まだいないんだ……。