1学年300人はいる中での2位だなんて相当頭がよくないと不可能だと思う。

す、すごい……。


「なに驚いてんの? 常識だろ?」


池田くんの言葉に、渇いた笑みが溢れる。

じょ、常識なんだ……。


「い、いや……ちょっと虫がいて……」


本日何度目かの、誤魔化しの言葉を口にした。

補習が行われる第2教室に行くと、すでに何人かが集まっていた。


「俺ら入れて10人くらいか」

「まあ、この中でも間違いなく日奈太と池田がワースト2だろうけどな」


お、お兄ちゃん、そんなに成績が悪いんだ……。

今日はどれだけお兄ちゃんが不真面目なのかを痛感させられた日だな……とへこんでいると、教室の扉が開いた。


「……お、そろってんな」


あれ? 補習の先生って、担任の先生なんだ。


「はやセン遅い~。待ちくたびれてもう勉強できな~い」

「じゃあ留年しろ」