西原くんにからかわれ怒っている池田くんを、なだめるようにそう言った。

なんていうか、とっても素直な人なんだろうなと思うと、微笑ましくなる。


「お、俺も、なんかごめんな……?」


じっと見つめながら謝ると、池田くんはなぜか少し驚いた様子で、視線を返してくる。


「…………お、おう」


怒りは冷めたらしい池田くんを見て、ほっと一安心。

そのときタイミングよくチャイムが鳴って、立っていた私は自分の席へと座った。

あとで……お礼、言おう。

バレている以上、極力話したくはなかったけど……助けられたのは事実で、瀬名さんがいなかったら大変なことになってたかもしれない。

それに……悪い人ではないと、思うから……。

何を言われるかわからないけど、同室である以上、逃げ続けるわけにもいかない。

決心を固め、ふぅ……と息を吐く。

そんな私の後ろでは……。