とりあえず頷いた私に「へぇ、話してんの初めて見た」と驚いている西原くん。

え? そ、そうなの……?

けどそういえば、同室のヤツは存在を無視してくるって、お兄ちゃん言ってたような……。

……なのに、私がお兄ちゃんじゃないことにはすぐ気づいたり、助けてくれたり……。

瀬名さんは今朝、私に何を言おうとしたんだろう……?


「大丈夫かよ、あいつ不良って有名だろ?」

「え! そ、そうだったっけ?」

「つか俺が悪いけどさ、部外者の瀬名がキレんなよな。手いてーし……。別に休み時間なんだからうるさくてもいいだろ……ムカつく……!!」


そんなことを考えている私のそばで、小さな声で瀬名さんへの不満をこぼしている池田くん。


「小声で言うところがお前の小物感を引き立たせてるな」

「お、お前ええぇ……!!」

「ま、まぁまぁ……」