誤魔化すように、「あはは……」と笑ってみせた。


「い、いや、なんか怖いもんでもお腹に隠してるのかと思って……」

「んなわけねーだろ、日奈太は相変わらずビビリだなぁ~」


どうやら池田くんは騙されてくれたらしくて、「はっはっはっ」と笑っている。
よ、よかった……。

――けど、本当のピンチはここからだったんだ。


「お前女みたいな顔してるし、ヒョロッちいから腹もどうせぶよぶよだろ!! おら! 日奈太も見せろ!!」

「え? ちょっ……!」

悪ノリした池田くんが、私のお腹をめくろうと、あろうことか手を伸ばしてくる。

う、嘘……!

とっさに立ち上がって逃げるも、「逃げんなよ!」と追いかけてくる始末。

ダ、ダメダメダメ……!

私腹筋なんて1ミリもないから、お腹なんて見られたらバレる……!

それ以前に、男の子にお腹を見せるとか嫌だよ……!!