お、男の人の話し方……難しい……!

私の必死の言い訳に、白鷺さ……悠人くんは、頭の上にはてなを乗せながらも、「そっか」と納得してくれた様子。

これ以上深追いはされなかったことに安心し、こっそりと胸を撫で下ろした。


「はよー、2人とも! 日奈太が早いなんて、珍しいじゃん」


元気にそう言ってこっちに近づいてくる、友人らしき人。


「おはよ西原」

「お、おはよ」


悠人さんに続いて、私も返事をする。

西原……確かメモに書いていたような……。

こっそりと、机の陰でメモを開くと、そこには探していた文字が。


『西原誠治。西原はバカ』


じょ、情報が少なすぎる……。

でも、多分呼び方は西原でいいってことだよね……?


「なあ日奈太、お前補習の勉強した?」

「今その話してたところだよ。日奈太が珍しく勉強したみたい」

「マジかよ!! 俺、ノー勉なんだけど、やべー」