お兄ちゃんの席は、教 卓から見て右から3列目の壁から2番目って言ってたから、あそこかな……?

って、隣の席の人、もう来てる……っ。

席に座って本を読んでいるその人を見て、ピタリと足を止めた。

お兄ちゃんからもらったメモを見る。そこには、仲のいい友人の名前や、よく関わる人の名前が書かれていた。

えっと……隣の人の名前は……白鷺、悠人……?

名前の後ろに、『親友、いいヤツ』と書かれていて、少しだけ安心する。

いい人……確かに、すごく優しそうな雰囲気というか、遠目から見ても品のよさが滲み出ている。

どこかの貴族みたいな……すごく綺麗な人。

じっと見つめていると、彼の視線が突然こちらを向いて、私をとらえた。

驚いて、びくりと反応してしまう。

彼……えっと、白鷺さん……?は、私を見ながらにこりと微笑んだ。


「日奈太おはよう。ぼーっと突っ立ってどうしたの?」