時間が経つにつれて、人通りが増えてきて、教室を回るどころではなくなってきた。

お、男の人がいっぱい……!

あっちこっちから歩いてくる男の人の姿に、いちいちビクビクと驚いてしまう。

私の学校も共学だから男の人はいるけど、ここまで男の人だらけだと、気の休まる場所もなかった。

まだ全部把握してないけど、1人で歩くのは怖いから今日はここまでにして教室に行こうっ……。

心なしか、視線も感じて居心地が悪い。


「あれ、2年の白川日奈太先輩じゃね……?」

「俺、実物初めてみた。マジで女みたいだな」

「この前見たときよりなんか可愛くなってる気すんだけど気のせい……?」

「俺、あの人ならいけるかも……」


そんなことを言われているとは気づかず、私は地図を頼りに教室へと急いだ。

2-Aクラス……ここかな?

恐る恐る教室に入ると、すでに何人かの生徒が登校してきていた。