ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

あ、あれ? 同室だからって、同い年ってわけでもないのかな? も、もうわかんないっ……。


「え、っと、わた……ち、ちが……お、俺、ちょっと頭打って記憶飛んでたっていうか、その、なんかごめんなさ……じゃなくて、ごめん……! い、今全部思い出した!じ、自分の部屋忘れるとか、お、おかしいよね……じゃなくって、おかしいよ、なっ……!」


混乱状態の私の口から、次から次に飛び出す変な口調での言い訳。

終始ぼーっとこちらを見ていた男の人は、我慢しきれないといった様子で吹き出した。


「いくらなんでも無理があるだろ」

「え、えっ……?」

「……なぁ」


私より随分と大きな身長で、常に見下ろされているような体勢。彼は何かを言いかけて、1歩ずつ私のほうに近づいてきた。

反射的にあとずさる私。けど、すぐに壁側に追いやられ、逃げ場がなくなる。

彼は、さらに私の逃げ場をふさぐように、壁に片手をついた。

びくりと肩を震わせた私を見て、一瞬ハッとした表情をした彼は、壁から手を退けてくれる。解放されたと思いきや、今度は彼の長い指が、私の顎に添えられた。