腹黒王子さまは私のことが大好きらしい。



「あーあ……泣かないで……あんな勝手な男、放っておきなよ」



私の隣に屈んで、頭を撫でてくれる新川先輩。



「私……京ちゃんに嫌われたら、生きて、けないっ……」



ずっと一緒にいてくれた。

このままずっと一緒にいられるとは思っていなかったし、いつかは京ちゃんにお嫁さんができて、バイバイしなきゃいけない日が来ると思っていたけど……。

こんなに早く訪れるなんて、思ってなかったんだ。



「ほんと、大好きなんだね、あいつが」



新川先輩の言葉に、こくこくと頷いた。



「だい、好きっ……もう、どうしていいか……わかん、な……ぃ」



優しい優しい大好きな京ちゃん。



「助言するのも嫌だけど……。謝れば許してくれるよ、きっと。……ま、乃々ちゃんに非はないと思うけどね」

「で、も……っ」

「大丈夫大丈夫。拗ねてるだけだよ、あれは」