腹黒王子さまは私のことが大好きらしい。


京ちゃんは好きになってくれた女の子の中から、いつか彼女を作って、私から離れていくのかな……って。

そう考えると、胸が苦しくてどうしようもなかった。

 隣を歩きながらじっと、京ちゃんの横顔を見つめる。
恋人になりたいだなんて、わがままは言わない。

でもせめて……ずっと幼なじみとして、京ちゃんの近くにいたいよ。



「……ん? どうしたの乃々?」



そんなことを考えていると、突然京ちゃんが私のほうを見た。

バレていないと思っていたから、驚いて変な声が出る。



「ふぁっ……! な、何もないよっ……?」



恥ずかしくて、慌てて視線を逸らした。



「そう? ならいいんだけど」



深く聞いてこなかったことにホッとして胸を撫で下ろしたとき、肌を刺すような冷たい風が吹いた。



「くしゅんっ」



今日は着込んだうえに、マフラーもしてきたのに、まだまだ防寒不足だったみたい。

冬休みが終わり、冬本番の今の寒さは凶器だ。