『……はぁ、今すぐ乃々に会いたい』
さらりと吐かれた言葉に、心臓がどきりと飛び跳ねた。
京ちゃんは何気なく言っているんだろうけど……心臓に悪いなぁ……。
いちいちドキドキしてしまう自分が、単純すぎて情けなくなる……。
「明日、会えるよ……」
『……うん。そうだね』
京ちゃんの声が、どこか寂しそうに聞こえた。
……なんて、きっと気のせい。
私に会えないだけで、京ちゃんが寂しがるはずない。
「また明日……バイバイ京ちゃん」
『バイバイ乃々。気をつけて帰ってね』
名残惜しくも、通話を切る。
はぁ……声が聞けて嬉しかったけど、もっと寂しくなっちゃった……。
今日は家に帰って宿題を終わらせて、お風呂に入って早く寝よう。
そう考えて、スマホをポケットにしまった。