新川先輩とはまた、ゆっくりお話ししたいな。
「うん、またね」
笑顔で手を振ってくれる先輩にぺこりと頭を下げて、旧生徒会室を出た。
ふふっ、学校に知り合いが1人増えた……それに、とってもいい人っ……。
私はスキップをしたい気分で、教室に戻った。
「王子の恋人に手を出したら、処分されるって噂。きっと本当なんだろうなぁ……。乃々ちゃんってば、自分がどれだけ囲われてるか、全然気づいてなさそー……」
部屋に残された、新川先輩のセリフも知らずに……。
放課後。
帰る支度をすぐにすませて、教室をあとにした。
今日は京ちゃんがいなくて寂しかったけど、新川先輩と知り合いになれて嬉しかったな……。
――プルルルルッ。
正門を出たと同時くらいに、ポケットに入っているスマホが鳴った。

