腹黒王子さまは私のことが大好きらしい。


“乃々”っていう呼び方は、特別だったから。



『乃々』



京ちゃんだけが使う、特別な呼び方。



「は、はい……」



迷ったけど、別に京ちゃんにとっては特別なことでもなんでもないだろうから、断る理由もない……よね?



「ここ座って」



会長さんに促され、教室の真ん中にあるソファに座らせてもらう。

会長さんは、私と向かい合わせにあるソファに座った。



「あ、それお弁当だよね? ここで食べていいよ。俺も一緒に食べていい?」

「も、もちろんです……! 私のほうがお邪魔している身なので……」



むしろ、食べる場所を提供してもらえて助かった。

このまま場所が見つからなかったら、教室に戻るしかないと思っていたから……。

みんなが楽しく食べているなか、私だけ1人で食べるのは悲しい。

お弁当を広げて、「いただきます」と手を合わせる。