腹黒王子さまは私のことが大好きらしい。


躊躇しながらも、恐る恐る入らせてもらった。

少し古びた内装で、日の当たらない室内を見渡す。



「あの、この教室は……?」

「旧生徒会室。今年から移動になったんだけど、去年まではここ使ってたから、こっちのほうが落ち着くんだよね」

「生徒会室……? あっ……!」



そうだ……!

この人、どこかで見たことがあると思ったら……!



「生徒会長さん、ですか……?」



朝礼で、いつも挨拶をしている人だっ……。

私の言葉に、男の人はにっこりと微笑んだ。



「正解。知ってもらえてるなんて光栄だな」



そっか……だから当然のようにこの旧生徒会室の鍵も持っていたんだ……。



「君の名前は?」

「百合園……乃々花、です」

「乃々花……可愛い名前。乃々ちゃんって呼んでいい?」



一瞬、返事に詰まってしまった。