落ち着け俺、大丈夫。極力距離を取って寝れば……平気だ。

そっとベッドに入って、少し間を開けて横になった。

……うわ……ヤバいな。

一緒の布団に入るなんて小学生の頃以来だ。

俺は無事に朝を迎えられるのだろうかと、そんな心配が脳裏を過る。




「京ちゃん……」

「ん? どうしたの?」

「……わがまま言ってごめんなさいっ……」




申し訳なさそうに眉を下げて俺を見つめる乃々。

そんなこと、気にしなくていいのに。


むしろ――。

毎日何度でも、わがままを言ってほしいくらいだ。



「いいんだよ。してほしいことがあったら、なんでも言って」



どんなことだって、乃々のお願いは嬉しい。

手を伸ばして、そっと乃々の頭を撫でた。

乃々は嬉しそうに頰を緩めて、笑顔を浮かべる。

可愛いなぁ……と思っていたときだった。

……っ……!! え……?