――誰よりも何よりも、愛しい存在。
一度乃々の家に寄って、着替えを取ってから、15分ほど離れた俺の家へ向かった。
2人で宿題をして、ゆっくり話して、晩御飯を食べて。その後、先に風呂に入るように乃々に伝えた。
風呂から戻ってきた乃々が、俺の部屋に入ってくる。
濡れた髪のまま、シルク素材のワンピースを着ている乃々の姿。
俺には、目に毒すぎる。
「温まった?」
平静を装ってそう聞けば、頰を紅潮させている乃々がこくりと頷く。
「うんっ、先に入らせてくれてありがとう」
ソファに腰かけていた俺の隣に座った乃々。
俺は手を伸ばして、近くの棚からタオルを取り出した。
「乃々、こっちに座って。髪乾かさなきゃ」
ドライヤーも用意して、俺の前に座るよう促す。