いつもより話せなくて、その……寂しかった、から。



「観る。行く」



そう即答したこうくんに、思わず笑ってしまう。



「それじゃあ、晩ご飯食べ終わったら私の家集合でいい?」



こうくんの顔を見てそう言うと、視界に映ったカッコいい顔は、本当に嬉しそうな表情をしていた。



「……一気に機嫌直った」

「ふふっ、単純だよ、こうくん」

「俺の機嫌は真由次第だから」

「せ、責任重大だね……」



やっぱり、こうくんといると楽しいな……。

夕日に照らされた道を歩きながら、改めてそう思った。



「ふぅ……お菓子と飲み物でも用意しておこうかな」



お母さんが作っておいてくれた晩ご飯を食べ、入浴もすませた。

部屋着になり、こうくんが来るまで準備をする。

こうくんは……コーヒーと、あと甘くないスナック菓子がいいかな……。