「転校生……?」



こんな時期に……?

不思議に思いながらこうくんのほうを見ると、眉間にしわを寄せ、鬱陶しそうにしている。



「朝からうるせーな……」

「こうくんは気にならないの?」

「全然。俺は真由以外どうでもいい」

「……っ」



さらりとそんなことを言うものだから、私は言葉を詰まらせた。

こ、こうくんってば、どうしてそんなことを平然と言えるんだろうっ……。

は、恥ずかしくないのかな……?

なんていうか……最近のこうくんは、なんだか甘々だ。

こうくんの行動に、私は惑わされてばかりで……。



「なーに朝から寒いセリフ言ってんのよ、ストーカー!!」



教室に、そんな声が響いた。

声の主はもちろん夏海ちゃんで、私とこうくんの間にサッと入る。

イラついた表情でカバンを持ち上げた夏海ちゃんは、そのままそれを、こうくんの頭目がけて振り下ろした。

ドカッ!と鈍い音が響いて、私は思わず視線を逸らす。