何も言ってないのに、どうしてこうくんの名前が出てくるの……!?
私の反応を見て肯定と取ったのか、お母さんは嬉しそうに口元を緩めた。
「へー、やっとぉ? よかったわねぇ~」
……ん?
「や、やっとって……?」
言い訳よりも先に、聞き逃せない言葉を見つけて、質問せずにはいられなかった。
どういう意味?
「なに言ってんの。煌貴くんはずっと真由のこと好きだったじゃない。あんないい子に一途に想われて、あんた幸せ者よ?」
ずっと……って……?
「幼稚園の頃、あたしに『真由ちゃんを僕にください』なんて言ってきてね。懐かしいわ~」
う、嘘……。
「そんな、前から……」