「せっかくだしデートしたいんだけど……嫌?」
俺のことを意識してもらうためにも、もっと恋人っぽいことをしたい。
単純に、真由が行きたいところに連れて行ってあげたいという気持ちもある。
「い、嫌じゃ……ない……」
恥ずかしそうにする真由は、何度見たって飽きない。
けど……教室では、あんまりそういう顔やめて。
俺以外に、見せたくないから……。
「じゃあ行こっか。楽しみにしてる」
子供みたいな独占欲に蓋をして、真由の頭をポンッと撫でた。
「こうくん! チケット買いに行こう!」
「さっきスマホで取っておいた。後ろの真ん中の席」
予約しておいたチケットを発券し、2人でフードの列に並ぶ。
「最終日だから人がいっぱいいるね……先に取っておいてくれてありがとうっ。でも……後ろの席でよかったの?」
「真由、あんまり前の席だと目疲れるだろ? 俺は座席にこだわりはないからどこでもいい」

