「なーに甘い空気出してんのよ! あたしは認めないんだから!!」
「別にお前に認められなくてもいい」
「キィ~~!!」
うるさいヤツは無視して、ひとまず真由を離した。
これ以上困らせるのもかわいそうだし、何より嫌われたくはない。
「お、落ち着いて、夏海ちゃんっ……」
「落ち着けるわけないでしょ……!」
俺も、席座ろ……。
真由の前に座り、カバンを下ろす。
後ろから三橋と会話している声が聞こえるが、女同士楽しそうに話しているので、水を差す気にはならなかった。
つーか、今日朝礼で作文読み上げるんだったな……。
めんどくせーけど、確認しとこ。
カバンの中から原稿用紙を取り出し、「こんなこと書いたかな」と、どこか他人事のように思いながら目を通していく。
その最中も、後ろから2人の会話が聞こえていた。
「あー、朝からびびったわ。昨日の中崎の件といい、どうなってるのかちゃんと聞かせてよね」
「う……うん」
「一度放課後時間を作りなさい! 語るわよ!!」

