「ん」



あの男はムカつくけど……。

真由に近づかないように、俺が目を光らせておけばいいだけのことだ。

これからは幼なじみじゃなくて……恋人として、堂々とそばにいられるんだから。

……まあ、まだ仮だけど。

ていうか、仮ってどうやったら取れるんだ?

真由に好きになってもらえたら、本命?

先はまだまだ長そうだ。



「真由ー! おはよ」



教室に入ってきた、うるさい女。



「おはよう、夏海ちゃん!」

「今日も金魚のフンみたいな男につけられて大変ね~」

「黙れ、クソ女。真由に触んな」



いつものように、ベタベタと真由にくっつく三橋。