「なるほどね。……わかった。花咲さん、ありがとう。とりあえず、今はおとなしく引き下がるよ」
……まぁ、真由に好意を持っているのは気に入らないけど、諦めのいいヤツはまだ無害だ。
手間が省けてよかったと思っていたのもつかの間。
「気が変わったら、いつでも言ってね」
そう言って、笑顔で男友達のところへ戻っていった中崎。
……前言撤回。
「……なんだあの男。ぶっ潰してやろうかな」
有害もいいところだ。芽は潰しておかないといけない。
何が気が変わったらだ……変わらせねーよ。
俺以上に真由のことを想ってる男なんて、いるわけがないんだから。
「こ、こうくん、物騒だよ……!」
あたふたしている真由を見て、苛立ちが一瞬で吹き飛んでいく。
「私たちも、戻ろっか」

