「こうくんママ、いってきます!」

「ふふっ、2人ともいってらっしゃい!」



2人で俺の家を出て、並んで歩く。

……手、握ったら怒るか?



「真由」

「え? ……って、こ、こうくんっ……!」

「……ダメ?」



そっと、小さな手を握った。

戸惑いを見せる真由を、じっと見つめる。



「ダメじゃ……ない、けど……」



顔を真っ赤にしながら、フイッと視線を逸らした真由。



「恥ずかしいから、学校の近くでは、ダメっ……」



そう言って少しだけ握り返してきた手が、愛しくてたまらなくて、どうかなりそうだった。