「悔しいけどお似合いだよねー」

「わかる、お人形みたいだよね」

「美男美女すぎてあそこだけ眩しいもん……! 2人そろって目の保養だよねー」



ネガティブ思考全開で下を向いて歩く私には、その会話がまさか自分に向けられたものだとは思っていなかった。

 『2-A』と表札のかかった教室に、こうくんと入る。



「真由、おはよ」



そう言って肩を叩いてきたのは、先に登校していた親友の夏海ちゃんだった。



「おはよう夏海ちゃん!」

「今日も可愛いわね~、このぉー!」

「わっ……!」



夏海ちゃんに抱きしめられ、頭をわしゃわしゃと撫でられた。

それを笑って受け入れて、されるがままになる。

夏海ちゃんは、私を妹のように可愛がってくれる、お姉ちゃんみたいな存在だ。