「なぁ、ちゃんと今朝の男に断って」
「う、うんっ……」
「今日から俺が、真由の彼氏だから」
彼氏……。
申し訳ないけれど、まだ今はしっくりこないその響き。
「ごめんね、やっぱりそういう気持ち、まだよくわからなくて……」
一生幼なじみとして、仲良しでいられると思っていたから……こうくんを恋人として見られるには、もう少し時間がかかりそうだった。
「今はわからなくていいよ。これから嫌ってくらいわからせるから」
私を見つめながら、それはそれは嬉しそうに微笑むこうくん。
その笑顔に、思わずドキッとしてしまう。
改めてこうくんを見ると、本当にカッコいいなぁと思う。
こうくん、モテモテなのに……どうして私なんかを好きになってくれたんだろう……。
そんなことを思っていると、突然目の前にある顔が近づいてきた。
くっつく寸前に何をされるのかわかって、慌てて唇を手で隠す。