「今日ね、ご近所さんにたくさんもらったんだけど、うちはお父さんも煌貴も甘いものが苦手でね~。確か、真由ちゃんイチゴタルト好きだったわよね?」
イチゴタルトという単語に、身体がピクリと反応する。
「だ、大好きです!」
そう即答して、何度も首を縦に振った。
「よかったわ~! あたしちょうど出かける途中だったの! 少しの間留守にするけど、ゆっくりしていってね!」
こうくんママは「それじゃあね~!」と元気に手を振り、家とは反対の方向へと歩いていった。
「じゃあ、行こっか」
こうくんママの背中を見送って、そう言ったこうくん。
私の頭の中は、イチゴタルトのことでいっぱいで……。
「うん! おじゃまさせてもらいます……!」
このとき、こうくんが1人心を決めていたなんて……知る由もなかったんだ。

