「ど、どうしたのっ……!? 担任の先生に呼び出されてたんじゃ……」



どうしたの?じゃねーよ……。

お前がどっかの誰かに連れて行かれたって聞いて、俺がじっとしていられるわけないだろ。

つーか、こいつ誰だ?

こんなヤツ、クラスにいたか……?



「おい、舐めた真似してんじゃねーぞ」

「……いや……舐めた真似って言われても……」

「あ?」



男は真剣な表情で、俺をじっと睨みつけてきた。



「……新城にそんなこと言われる筋合いはないと思うけど」



俺がいない隙を見てしか声をかけられなかった腰抜けにしては、1番弱いところを突いてきた。

……そんなこと、俺が1番わかってる。

何か言ってやりたいのに、声が出ない。

図星を突かれて黙り込むなんて、カッコ悪すぎて笑えてきそうだった。