「そっか、よかった……!」
にっこりと安心したように微笑んだ真由。
あー……可愛い。
口元が緩みそうになるのを、必死でこらえた。
教室に着くと、腹立たしい出来事が起きた。
真由の親友を名乗る、三橋夏海という女。
校内では有名なヤツで、真由の次に美人だとよく男友達が騒いでいる。
こいつのどこがいいのか、俺が理解できる日はきっと来ないだろう。
口は悪いし、すぐ殴ってくるし、その上男グセが悪く、貢がせるだけ貢がせてポイポイ男を捨てている悪女。
なぜか同じクラスだからといって、俺に苦情が来ることもあり、腹立たしいことこの上ない。
三橋は三橋で、俺の真由に対しての過保護さが気に入らないらしい。
そんな感じで、俺たちはお互い嫌い合っている。
つーか、こいつの何が1番ムカつくかって、やたら真由へのスキンシップが激しいことだ。
女だろうと、真由にベタベタされると腹が立つ。
「真由に触んな」
なんとか“俺の”という言葉だけはぐっと飲み込んだ。

