「……」
心の中でそんなことを思ったが声に出すのも面倒で、俺は教室を出るため歩きだした。
そのとき、教室の隅にいた真由が目に入る。
三橋と化学室へ移動しようとしていた真由に話しかけている、中崎の姿も見えてしまった。
「真由ちゃん。俺も一緒に行っていい?」
……は?
真由、ちゃん?
お前……この前まで苗字で呼んでただろーが。
なに馴れ馴れしく下の名前で呼んでんだよ……。
「うん、もちろんいいよ」
「あれ~? あたしお邪魔かしら?」
「な、なに言ってるの夏海ちゃん! そんなわけないじゃない……!」
「ははっ」
「あら? 中崎は否定しないのねー」
楽しそうに繰り広げられる3人の会話が、嫌でも耳に入ってくる。
俺は教室を出て、他のヤツらとは別方向へと歩きだした。

