一昨日以来、真由と口をきいていない。
というか、何も話しかけられなかった。
朝も俺の母親に伝言を託したらしく、起こしに来ることはなかった。
真由のいない朝が、1人で登校するのが、こんなにも虚しいとは。
そんな俺が真由を諦められるはずなんかないのに、どう関係を修復していいか、その術もわからなかった。
「ねぇ煌貴っ、次移動教室だってー! あたし化学室の場所わからないから一緒に行こ!」
俺の腕に、自分の腕を絡めてくる転校生。
若干潔癖なところがある俺は、真由以外に触られるのが本当に無理で、触られた箇所にゾワッと鳥肌が立った。
「……離せ」
今すぐ振り払ってしまいたかったが、もう今はそんな気力もない。
なんていうか、どうでもいい気分だった。
「もー! どうして一昨日から素っ気ないの~?」
んなの、お前に用がなくなったからだよ。
これ以上、お前に優しくする理由はない。
だから気安く話しかけんな。あと名前も呼ぶな。

