「……あの、花咲さん」
「……はい?」
「さっきも言ったけど、話したいことがあって……」
改めてそう切り出した中崎くんに、私もじっと視線を返して見つめる。
「……好き、なんだ」
――え?
今、なんて言った?
「俺……花咲さんのことが、好きです。俺と付き合ってください……!」
顔を赤く染めて、けれども真剣な眼差しで、瞳の真ん中に私を映す中崎くん。
その意味を理解するのに数秒かかった私は、ぽかんと口を開けて固まることしかできなかった。
好き、付き合ってください、って……。
――こく、はく?
「……え、ええっ……!?」
意味を理解してすぐ、まるでマンガみたいにボンッという音をたてて顔が赤く染まった。

