中庭から裏庭に回ったとき、物陰に人が見えた。
そこには真由と……あの中崎とかいう男がいた。
なんだよ、この光景……2回目だっつーの……っ。
「真由!!!!」
なんでこの男は、いつも真由の近くにいやがる。
腹の奥から叫び、その名前を呼んだ。
真由とその男が、同時に俺のほうを見る。
「……何してんの、2人で」
急いで駆け寄って、男を睨みつけた。
「こう、くん……」
俺を見ている真由の顔は目元が赤く腫れていて、きっと泣いていたんだろう。
自分がその理由を作ったかと思うと、罪悪感でいっぱいになる。
早く……一刻も早く、誤解を解きたい。
真由、俺が好きなのはお前だけだから。
あの女と仲良くしたのは、お前を――。
「今2人で話してたんだ。邪魔だからどっか行ってくれない?」