話すって、何を……?

あ……もしかして……。

そこまで考えて、私はスカートをぎゅっと握った。

もしかして、「松沢さんのことを好きになったから、お試しの恋人関係を解消したい」とか言われるのかな……。

……きっと、そうに違いない。

泣きそうになるのをこらえながら、なんとか4時間目の授業を乗りきった。



「ねぇ煌貴、お昼ご飯一緒に食べよー!」

「……無理」

「えー! なんでー? ていうかなんでさっきから素っ気ないのぉ?」



4時間目が終わり、そんな会話を繰り広げている2人。

もしかして私、すごく邪魔かもしれない……。



「あ……ごめんね、こうくん。私、急に用事を思い出しちゃった……!」



精一杯の笑顔を浮かべて、そんな嘘をついた。



「真由?」

「私のことは気にしなくていいから。その……2人でゆっくり食べて……! それじゃあっ……」

「ちょっ……真由!!」



私を引き止めるこうくんの声を無視して、教室から逃げるように飛び出した。