夏海ちゃんは……私のことを心配してくれたのかもしれない。

こうくんに新しい好きな人ができて、私が……傷ついてるって。



「ふ、2人とも落ち着いてっ……! あの、私はその……平気っていうか……」



ダメだな、私……夏海ちゃんに心配かけて……。

もとはといえば、全部私が悪いのに。

いつまでもこうくんの好意に甘えていた私が、結局全部悪いんだ。

だから、悲劇のヒロインぶるのはお門違いすぎる。

せめて、平気なフリをしなきゃいけない。

私が今できるのは、こうくんの次の恋を応援することくらい。

私が間に入ったことで、一旦止まる2人の口論。

そしてなぜかこうくんは申し訳なさそうに、私のほうを見てきた。



「……ごめん真由、ちょっと俺やりすぎ――」



キーンコーンカーンコーン。

今、なんて言おうとしたんだろう……。

タイミング悪く4時間目の始まりを告げるチャイムが鳴って、こうくんの声がかき消されてしまった。



「……真由、昼休み話そう」



え?