額に、そっと口づける。



「……今はこれで許してあげる」



言っとくけど、こんな可愛いことばっかりされてここまで我慢できる男、俺くらいだからな。

真由が大事だから……我慢してるって、お願いだからわかって。

少しずつでいいから、俺のこと意識して……。

 躊躇なく真由に触れられる権利を、いつか俺にちょうだい。

俺にキスされた真由は、リンゴみたいに真っ赤な顔をしながら、少しだけ手を握り返してきた。

そんな些細な動作に、俺がどれだけ愛しさを感じているか……きっと、真由は知らないだろうな。

ドラマを観始めて、3時間くらいが経った。

ぼちぼち終盤に近づきかけたところで、新しい登場人物らしき人間が転校生として加わる。

ここで新キャラかよ……収拾つくのかこのドラマ。

そんなことを思いながらじっとドラマを見ていると、真由が思い出したように口を開いた。



「そういえば……」

「ん? どうした?」

「こうくんは、その……松沢さんのこと、どう思う?」



……え?