今度はみるみる頬があつくなる。


「……ここまで言って、わからない、なんて言うなよ」


そうして、気づく。

彼がいつもより饒舌(じょうぜつ)であること、耳が赤いこと。

何よりも。


──私を見つめる瞳が、熱っぽいこと。


恋は呪いだ。呪いを解く魔法は愛の言葉。

私たちがお互いにかけた呪いに、今度は魔法をかけないと。


一歩踏み出す前に、いつのまにか彼が目の前にいた。


「……すきだよ、ずっと前から君だけが」

「先に言われちゃいましたね。私もずっと先輩がすきです」


彼からもらった姫金魚草。

あの花言葉を教えてもらった。



「この恋に気づいて」