ピンっとおでこを指で弾かれた。


「あのさ、なんかあっただろ?」


「ううん、とくには」


スッと視線をそらして、
水筒に手を伸ばす。


「……鈴之助に告白でもされた?」


っゴホっ! っゴホ!


「そ、そ、そんなこと、
あるはず、ござりませぬが?」


「……ふーん」


うかがうように

視線をぶつけてくる遥先輩の
鋭い瞳から

必死で顔をそむける。


とりあえず、
麦茶でも飲んで落ち着こう。


と、水筒の麦茶をひとくち、
口にふくんだところで。


「キスでもされた?」


ぶほっ!