ふたりを置いて
マンションのエントランスに
入ろうとしたところで。


「凛花、確保っ!」


後ろから、遥先輩に
羽交い絞めにされた。


「く、く、苦しいってば!」


「ごめん、遥さん、マジでやめて。
凛花、苦しがってるし。
つうか、凛花に触んなよ」


ぼそっとなにやら呟いて、
殺気を漂わせている鈴之助を
きょとんと見あげる。


「鈴之助、どうしたの?」


「ん? なんでもないよ」


にっこり笑った鈴之助に、
ホッと胸をなでおろす。