だって、奈央ちゃんだもん。

幼なじみで一番私のことを理解している奈央ちゃんが、私のそんな嘘に気づかないはずがない。


「まあ、それはべつにいいけどさ。三浦くんに愛想尽かされないように気をつけなよ」

「う、うん。分かってる」


──あっ、しまった!返事しちゃった!

そう思っても時すでに遅くて「もーっ、結衣ってば…」とお腹を抱えて笑っていた奈央ちゃん。

罠にハマった気分になる私。


「もうっ!奈央ちゃんの意地悪!」

「結衣がそれに反応するから悪いんでしょ」


ううっ…!

言い返せないっ。

私ってば、ほんとにばか!

いつか向葵くんにも愛想尽かされちゃうんじゃないだろうか。