その翌日。

朝のHRが終わったあと、私は奈央ちゃんに昨日のドキドキを包み隠さず話した。


「えっ、それだけ?」


それなのになぜか奈央ちゃんから出てきた言葉は、呆れ気味のものだった。


「奈央ちゃんひどい!私、すっごくドキドキしたのに…!」

「名前呼んだだけなんでしょ?」

「そうだけど!あの三浦くんだよ!?名前呼ぶだけでもすーっごくドキドキしたんだからね!」


机に前のめりになる私をなだめながら「はいはい」と適当にあしらう奈央ちゃん。

私たちの間にはかなりの温度差がある。


「名前呼んだくらいでそんなにはしゃがないの。それはまだ恋って呼ばないから」

「ええ!そうなの?」