好きになるな、とは、言われてない。

けど、私が三浦くんを好きになったとしても、それはあっけなく散るよね……?

なんていったって私だし。


「まあ、でも結衣の夢が叶ってよかったね」


そう言うと意地悪のようにニヤリと笑うと、私が奈央ちゃんに言った言葉を思い出し、カァッと熱くなる。

奈央ちゃんが言う、私の夢。

──それは、“少女漫画みたいな恋をすること”だった。

漫画の中の二次元に憧れるみたいに。

主人公のように、私も、たくさんのときめきがしてみたい。


「理想の人とお試しで付き合うなんて、まるで、疑似恋愛みたいだね」


なんて、奈央ちゃんに言われて、なるほど確かに──そう思った。