「奈央ちゃんてばひどいよ〜……」


私は本気なのに……!

好きな人ができて恋をして、告白して付き合って…。

漫画の中の物語みたいに私だって幸せになりたい!


「結衣が変なこと言ってるからでしょ?彼氏がほしいならまずは漫画本ばっかり読むのをやめてみたら?」

「ええ?それは無理!」


少女漫画は私にとって大切なものであり、人生の先輩として何かに落ち込んだときや疲れたとき、いつも助けられてきた。

だから私に手放すなんてこと到底無理だもん。


「…まあ、私が何度言っても結衣絶対にそれだけはやめないもんね」


ため息混じりにそう言うと、奈央ちゃんは、私の顔を見た。


「ほんと、小学生から変わってない」

「……ちょっとは変わったでしょ?」