「──え、三浦くんと付き合った?」
教室の中で驚く奈央ちゃんに「しーっ!しーっ!」と慌てて、人差し指を立てる。
間一髪、クラスメイトには聞こえてなかったみたいでホッとする。
「あのね、奈央ちゃん。付き合ったっていうかお試し期間だから!」
「でもそれって同じことでしょ」
「ちょっと違うよ!」
お互いが両想いになるとそれは本物の恋愛になるけど、私たちの場合は、そういうものではなく、偽物の恋愛。
私の独り言を聞いた三浦くんが提案してくれくれたのだ。
……あれ。でも、結局どうして提案してくれたんだったっけ。
詳しくはよく分からないけど、それに同意してしまったのは、私の“恋をしたい”という欲が強かったから。
「結衣って何気に頑固なところあるよね」
「え、」
「だってさあ、お試し期間って言っても付き合ってることには何ら変わりはないのに」



